近年、3Dデータの需要が高まる中で注目を集めているフォトグラメトリ。写真から3Dモデルを作成できるこの技術は、建築、文化財のデジタル保存、ゲーム開発など、様々な分野で活用されています。今回は、フォトグラメトリを始めようと考えている方に向けて、基礎知識をご紹介します。
フォトグラメトリとは
フォトグラメトリ(Photogrammetry)とは、複数の写真から対象物の形状や寸法を復元する技術です。デジタルカメラで撮影した写真をソフトウェアで解析することで、正確な3Dモデルを作成することができます。
フォトグラメトリの主な特徴
- 非接触での計測が可能
対象物に触れることなく3Dデータを取得できるため、貴重な文化財や危険な場所の計測にも適しています。 - 比較的低コストで開始可能
基本的な機材はデジタルカメラとパソコンがあれば始められます。 - 高精細な表面テクスチャの再現
写真から直接テクスチャ情報を取得するため、リアルな表面の質感を再現できます。
必要な機材
必須の機材
- デジタルカメラ(できればレンズ交換式一眼カメラ推奨)
- 三脚
- パソコン(処理用ソフトウェアが快適に動作するスペック)
あると便利な機材
- 広角~標準域のレンズ
- LEDライトまたはストロボ
- ターンテーブル(小物撮影用)
- 背景の布
撮影時の基本的な注意点
1. 光の管理
[ここに挿入する画像4: 良い光条件と悪い光条件の比較写真]
- 均一な光条件を保つ
- 強い影や反射を避ける
- できるだけ曇天の自然光か、拡散された人工光を使用
2. 撮影位置と枚数
- 対象物を取り囲むように撮影
- 写真同士のオーバーラップは60-80%程度
- 必要な枚数は対象物の複雑さによって200〜枚程度 iphoneアプリなどの場合はそれ以下の場合もあります。
3. カメラ設定
- ISO感度は低めに設定
- 絞りはF8-F11程度
- シャッタースピードは手ブレしない範囲で
- RAW形式での撮影推奨
避けるべき撮影対象
- 透明な物体
- 鏡面や強い光沢のある物体
- テクスチャのない単色の表面
- 動くもの(木の葉、水面など)
フォトグラメトリソフトウェア
現在、多くのフォトグラメトリソフトウェアが利用可能です。初心者の方には以下のようなソフトウェアがおすすめです:
- Metashape(筆者使用)
- RealityCapture
- 3DF Zephyr
- Meshroom
Metahsapeは、macでも使えるので、手軽に始めたい方にはおすすめです。 筆者もあまりスペックの高いPCを持っていないので、低価格で始められるMetashapeにしました。 このサイトでスキャンされてものは、ぼぼmetashapeで作成しています。いずれはRealityCapureで作成したいなあと思っております。
まとめ
フォトグラメトリは、適切な機材と知識があれば、誰でも始められる3Dスキャン技術です。この記事で紹介した基礎知識を押さえた上で、実際の撮影に挑戦してみてください。
※この記事の内容は、2024年12月時点のものです。ソフトウェアのバージョンや機能は随時更新されますので、最新の情報もご確認ください。